沈没期間

ここのところ(通り一遍だが)時間的体力的に忙しく、頭の中をシゴトが侵食していく感覚と、疲れにより思考力そのものが減衰していく感覚を味わっていた。つらつら浮ぶイメージや思考が飛び飛びに散っていく感覚、ひとつひとつが言葉としてまとまっていかな…

プレモダンからポストモダンへ…食べものの境界線2

情報はネット、リアルはグローバル物流。 ……僕には過激に聞こえる梅田望夫さんのサバけ方。実は内心気になり始めていた。国産とか自給とかの叫び声に、どんな必然性があるのかと、いま一度考えてみたかった。国産とか自給とかへの固執はもはや不自然なんじゃ…

食べものの境界線

やはり来た。2日前僕は“食べ物の境界線”という題を書こうと考えていて、それを紐解こうと、まずスローフード協会会長の『スローフードバイブル』を少し読み直し、次に自家採種の有機栽培農家、長崎に住む岩崎政利さんの話していたことを整理しようとしてい…

岡本太郎美術館

日曜日に家族で、雨の中だったが川崎に有る岡本太郎美術館に行ってきた。しずかに感動した。その記録からはネクタイ姿で精力的に時の現代芸術を突進していった観のある岡本太郎さんの迷いない言動を、その作品からは定型のフォルムという概念を(やはり明確…

セルリアンとオーレオリン

この前書いた、色の話。色といえばまず思い浮かべるのがセルリアンブルー、そしてオーレオリンだ。絵を描いたことのある人なら知ってると思うが、ふたつともとてもきれいな色だ。 セルリアンは確かラテン系の言葉で空色のこと。空の青。対するに海の青はウル…

はる

はなをこえて しろいくもが くもをこえて ふかいそらが はなをこえ くもをこえ そらをこえ わたしはいつまでものぼつてゆける はるのひととき わたしはかみさまと しずかなはなしをした ………… 詩人とはこんなふうにイメエジと話をするのか 僕は食べることが気…

梅田さんの作品

ここのところの続きでweb進化論周辺のこと。ポジティブとかオプティミズムとか、善悪とかで様々に議論が続いているような今現在について。 まず僕自身のこの本との出会いを含むその頃の経験から思い出すと、目ウロコのひと言。遅ればせながら手に取ったのが2…

書評キーワード

『フューチャリスト宣言』を読んだ。茂木健一郎さんと梅田望夫さんの対談で、全体感としては「今の社会は知的に解放されていない」「webで世界が明るくなる」「次世代を育てて生きたい」というような話を柱に、すでにweb進化論で開陳された予定の世界が追認…

色のこと、絵のこと

シゴト先の飲み会でAちゃんが「絵とか描かないんですか」と、しらっと僕に問うた。「Tさんって黒い色を着ないですよねぇ、KさんがTさんとそんな話したって聞いたけど」と聞くのだ。 そのふたつともに、話せば長〜いワケがあったりするが、クドイので話さ…

進化の話題とカルフォルニアあたり

この前触れたカルフォルニアの件、続きがある。『web進化論』で触れている“進化”についてだ。インターネットによって“情報そのものに関する革命的変化”がすでに始まっていると説くこの本で、こうした環境に身を浸し育っているこれからの世代、ちょうど今中学…

食文化から見た地域の重要性について

先週スローフードジャパン事務局から問い合わせあり、日本農業新聞のインタビューを準備してほしいと依頼され、思いつくままに書いてみた。島村菜津さんにしゃべってもらう予定で、日の目を見ないので。僕はこう考えている……Q: 「日本農業新聞の80周年キャ…

For the Children

FOR THE CHILDRENThe rising hills, the slopes, of statistics lie before us. the steep climb of everything, going up, up, as we all go down. In the next century or the one beyond that, they say, are valleys, pastures, we can meet there in pe…

web進化論3回目

また読んだ。最近、読む本の気になるところにマーカーつけまくっている。これをキーワードとみなして羅列すれば、修飾を排した読者の興味のありかを反映すると思い転記してみた…… 旧世代とは違うリテラシー(表現能力)を持った人たち 「wisdom of crowds」(…

ものづくりのすばらしさ

シゴトで福岡、熊本、宮崎、鹿児島と5日間。生産者と会い、話をしてきた。手身近に述べると、ものづくりのすばらしさを再確認できた旅になった。果樹の生産者は山を樹を育てる。畑作の生産者は土を育てる。山と樹と土の成長(生長)とともに生産者の人生も…

宮沢賢治

ここ2、3日で『風の男 白洲次郎』という本を読んだ。ケンブリッジに学び、政財界に知遇あるも一貫して官職、政治への道を拒み、戦中は百姓をやり、戦後吉田茂首相に請われ日本国憲法の制定に日米間を奔走した。プリンシプルを尊ぶ紳士……。 最近徳とか倫理…

エネルギーと食糧

以下2月ごろに書いたもの…… 暖冬で冬の野菜出荷が全国的に前倒しになり、春の端境期、需要の穴埋めが難しいそうだ。これを埋めるに手っ取り早いのはその時期に出荷のある地域から広く買い付けること。 一方、地球規模で買い付け先を模索しつくしたのが穀物…

農民芸術概論綱要

いつも石川県でどでかい有機農業をやっていると聞く、井村辰二郎さんという方のblogを見ている。このまえ突然このテーマが載っていて、不意を衝かれたというか、ハッとさせられた。改めて読み返すと、その輝きは変わらない。モノづくりをする、つくり手に立…

自民党の新憲法草案

国民投票法が可決されたのだった。朝まで生テレビで憲法を論じていた。田原総一郎は、安部総理大臣を「前代未聞、歴代の総理で 初めて改憲を打ち出したばかりか、次の選挙で改憲を争点にすると言っている。これはあのタカ派の中曽根さんすらやらなかったこと…

標準以上

『千年は働いてきました』の続きになってしまうが、この本で印象に残ったことは色々あった。このうち「標準以上」ということについて。 書評に書いたがとにかく現代社会は標準が多すぎる。人は定められた条件を充たすことを目標にせざるを得なくなっているし…

千年働いてきました

やっとBM協会機関紙『aqua』の書評が書けた……*********************** 日本は“老舗”の製造業が際立って多い国だそうだ。海外、とりわけアジアに詳しい著者は華僑、印僑に代表される“商人のアジア”との対照から、日本を“職人のアジア”…

ルー語変換って

どうも笑ってしまった。とあるblogに「ルー語変換」とあり、?と思い、何か新しいweb用語なのではないかとはてな検索し、知ってしまった。知ってる人は知ってるだろうので説明は省く。 ルー語変換は2パターン選べる。テキストデータやhtmlデータを走査し、…

EU市民とヨーロッパ人

最近考えることが、移動ということだ。何が移動するかというと、土地・人・モノ・カネ・情報の5つについてそれぞれ。土地と人は領土と国籍だから国家の根幹で、この移動は明確な制約がある。情報といえば国家機密とかを除きほとんど自由、最近ではタダの情…

鉄腕アトム

昨日の夜中、NHKアーカイブで手塚治虫をやっていた。既に手塚治虫は有名人。その手塚さんが、あいかわらず締め切りに追われる3日間の仕事場を追いかけた記録。トレードマークのベレー帽とポロシャツもさることながら、有名人の手塚さんは、自分で絵を描…

交易と言語?

交易も言語も同じだという。 2者の存在を前提とし、原初に概念が共有されていなかった意味で両者は同じだという。 交易においては沈黙の贈与によるファーストコンタクトがなされ、言語においては音素の発声によるファーストコンタクトがなされ、以降連綿と…

今日の備忘log

今日はもう時間が遅く、書く時間なし。で備忘log… 内山節山里紀行、プラトモナスのこと 梅田望夫web進化論 インターネットの「あちら側」と「こちら側」のこと 標準の線引きそれ以上が常識の「作り手の世界」 千年働いてきました読了のこと レヴィストロース…

自然法爾とコギト・エルゴ・スム

自然法爾の事 「自然(じねん)といふは、「自」はおのづからといふ、行者のはからひ(自力による思慮分別)にあらず、「然」といふは、しからしむといふことばなり。しからしむといふは、行者のはからいにあらず、如来のちかひにてあるがゆゑに法爾といふ。…

プラトモナスという風景

今日、テレビでスペインの画家ホワン・ミロのことをやっていた。見ていて懐かしく重い、押入れの奥の奥にしまいこんであった美術全集を引っ張り出した。重くほこりをかぶった全25巻の表紙それぞれには油絵の具の跡が残り、引越しのたび捨てようかと思っても…

散漫な思考

思考がどう巡るかを考えた。ヒトはいつも何かを思い浮かべあるいは考える行為を連続させている。何かのテーマについて思いを詰めていることもあるが、そんな縛りを課していないときはランダムに。 しりとりのようなもの。言語に発する手前の情景があり、その…

“おいしい村”はどこを目指す?

“おいしい村”について、まず1回目の整理。“おいしい村”という題名はもともと、2002年のイタリアで出会った言葉“IL BUON PAESE”の(僕の)誤訳だ。この言葉は、googleの自動翻訳(イタリア語→英語)であたると“THE GOOD COUNTRY”となるのだから、日本語…

千年働くという本を読め

27日、磯田さんから「千年働くとかなんとかの本読んでね」と言われた。BM協会※の『aqua』書評らんの原稿依頼だ。この前は3月号でスローフードのことを書いた、その続きの依頼。といってもギャラはないけど。 その本は宅急便で送ってくれるそうで、届いてか…