2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

おいしさは言葉で表せるか

言葉は、私たちの食という体験の、ごく一部分だけに張り巡らされた粗い目安のようなものである…とても窮め尽くせないほど無限に広がった味の質感の世界…言葉ことが、人間らしさの根幹をなすという根強い考え方がある。そのような言葉中心主義をとると…言葉に…

おいしさと、脳のなかの感覚統合

…複数の感覚が統合される過程で、統合の対象となっている感覚からは類推が利かないような、新しいクオリアの次元が生み出されるのが、感覚統合のプロセスの本質…味覚に限らない。我々の感覚とは、既存の感覚の組み合わせが、全く新しい感覚の次元を生み出し…

エイサー

これは先週のこと。僕の済んでいる相模原のとなり町の町田でエイサー祭りをやっているというので家族で見に行った。9月に入り凌ぎやすい涼しさになってきたなと思っていたら、この日はまるでエイサーを盛り上げるためのようにムチャ暑く、真昼間、アスファ…

なぜ、人と食べるとおいしいのか

…私たちはお互いが何を感じているかということは決して知ることができない…にもかかわらず、場を共有している人たちの間で、「食事が楽しい」というような気分が伝播していく背景には、感覚の壁をこえてノンヴァーバルなコミュニケーションを実現する脳のメ…

盛りつけの美しさとおいしさ

「美しい」ということを人間の生の根源に立ち返って考えてみると、そこには、触り、撫で回し、舐め、食べ、同化するという食の様々な要素が立ち現れてくる。美しく飾り立てられたものがやがては壊され、食べられてしまうというはかなさの中に、単に「見る」…

おいしさの安全基地

人間の「おいしさ」の基準は、半ば生物学的に決定づけられた、半ば学習の結果得られた、脳内記憶過程によって決まる…イギリスの心理学者ボールビーは、幼児が安心して新しいことを探求するためには、母親のような保護者が「安全基地」を与えることが必要であ…

まだ見ぬおいしさを求めて

この間自分が、ちゃんと整理して頭に入れておきたい本が茂木健一郎さんの『食のクオリア』だ。2回読んだが、3回目は気になる部分の抜粋を以下に試み、それぞれに僕のいる世界からのランダムな感想を加えて、その抽出作業から、時間を使って何かが構造化さ…

[考えごと]911 今日は911の日。僕がこのblogを始めて間もない去年の今も911について書いたのだった。その頃を思い出してなぜかこの1年の時間がいとおしいキモチを抱いてしまった。昨日は通常国会の所信表明演説で安部首相がしょーもないことを言っ…

ローカルなルール

文脈主義を越えたらいろいろ整理ができてきた。が、まだ横たわっているものがあるな、と感じたのは、昨日とある財団のKさんの話を聞いてからだった。 まず、文脈主義のことを、Kさんとは別のある人は共同幻想と書いていた。主義主張宗教思想そのすべてが人間…