[考えごと]911
 今日は911の日。僕がこのblogを始めて間もない去年の今も911について書いたのだった。その頃を思い出してなぜかこの1年の時間がいとおしいキモチを抱いてしまった。昨日は通常国会所信表明演説で安部首相がしょーもないことを言っていた、ことを鹿児島からの帰りのヒコーキで読んだ新聞で知った。何がしょーもないかは今日の朝日新聞の論説のとおり。改革続行の使命により首相続投を自ら決め込んだその舌の根も乾かぬうちに、テロ特措法代案としての新法が通らなんだら辞めちゃるとのたまったそうだ。あれ?改革続行はどうすんの?とあきれる。というかその新法を通したとして、政治家安部さんに何が残るのだろうと訝りたくなった。
 そもそも911である。様々な人は言っているが、911以降世界の秩序を巡るパラダイムは大きく変化した。グローバリズム的な世界秩序を、世界の警察たるアメリカの覇権をベースに、力をもって守る。これを強要に近い方法で従わせるという単純かつ強引なやり方がまかり通るようになった。他方911によって、そのような手法こそが世界の多様性を踏みにじるという考え方が、より明らかに理解されるようにもなり、世界秩序を巡る議論は以前に増して活発になりもしたように思う。安全保障についても軍事外交だけではなく食料エネルギー環境の3軸による国家間交渉の必要性、南北問題を含む人間そのものを対象とした人間の安全保障論など、複雑にもなり、より高い次元での人間の知恵が試されるフェーズに行き当たっていると思える。
 であるから今回の安部発言が世界的にどれほどの価値をもちうるのかがよくわからない。諸外国の評価なしとなれば何をかいわんやである。本来自民党に期待されることは野党の多様な主張を老獪に取り込んで、常に国民の支持を得続けることのように思うのだが、これでは本当に政権交代になってしまうんじゃないか。僕は自民党は嫌いだが、こんなことの後の民主党政権が力を発揮できるとも思えない。もっと根本的な問題が二項対立として議論された上で政権交代して欲しいような気がしていた。
 ああ不得意な分野でムリがあるので話はここまで。