For the Children

buon-noson2007-06-08

FOR THE CHILDREN

The rising hills, the slopes,
of statistics
lie before us.
the steep climb
of everything, going up,
up, as we all
go down.


In the next century
or the one beyond that,
they say,
are valleys, pastures,
we can meet there in peace
if we make it.


To climb there coming crests
one word to you, to
you and your children:


stay toghther
learn the flowers
go light

 今日久しぶりに本棚から出して読み返した本が『TURTLE ISLAND』(Gary Snyder著ナナオサカキ訳)だった。さっきまで『web進化論』だったのだが、梅田さんが住んでいるのがシリコンバレーで、シリコンバレーって、どこにあるか知っていますか? カルフォルニアのサンフランシスコ湾、オークランドベイブリッジの南、ここの湾というか谷(velley)の両岸に続いている一帯のこと。というのも梅田さんの本で初めて知った。ふとこの地域の、僕にとっての印象がいつのまにか20年前と別のものになっていることに気が付いてしまったのだ。
 僕の西海岸のイメージは、20代のころ訪れたUCBやNORTHFACEのあるバークレーであり、sierradesignsやブラウアーのシアトルだった。イーグルスがいて、ヨセミテのハーフドームがあって、ヒッピーがいた西海岸だった。その中で大好きだったのが詩人のGary Snyderだった。僕の子どもの玄という名前も、実はスナイダーの子どもの名前と同じ。
 確かに昔からあの土地はビバリーヒルズに行かなくてもそこらじゅうに大金持ちのプール付きの邸宅がいっぱいあったが、梅田さんの伝えるITベンチャーがしのぎを削ってexit strategyを追い求める世界とは、また別だったような気がする。
 そんな1980年代と90年代の違いも、共通してどうにも知的に明るく、わかりやすい感じがするのはそのオプティミズムからか。時代と価値観の両方が違っても、それを支えるのがカルフォルニアという場所であり、その場所が伝える風というものがあるのだろう。何となくではあるが、シリコンバレーの優秀な若者たちが、20代の数年をビジネスに没頭して巨万の富を手にした後に、手に入れたプール付きの豪邸で愛する妻と子どもに囲まれてスナイダーの詩を読んでいる、そんな風景も違和感がない。どこかに矛盾が潜んでいる気はするのだけど、富の偏在が生み出す光景であることは間違いがないんだろう。それもゴールドラッシュの昔から。